llms.txt とは?Googleは「順位に影響なし」と明言──ケンランSEOで作って公開し、効くかを実測する
執筆・分析:中澤大治郎(ナゾックス株式会社)。本文の構成と一部の文章・図版の作成にAIを補助的に使っています。数値・検証結果・見解はすべて執筆者本人のものです。
llms.txt とは?Googleは「順位に影響なし」と明言──ケンランSEOで作って公開し、効くかを実測する
「llms.txt を置くとAI検索に引用されやすくなる」「SEOにも効く」——そう書かれた記事は多いのですが、Googleは公式に「検索順位には影響しない」と明言しています。一方で、ChatGPTやPerplexityなどのAIが実際に読んでいるのかどうかは、どのAI事業者も公表していません。つまり「効くかどうか、誰も実測で示していない」のが2026年8月時点の状況です。
この記事では、llms.txt とは何かを公式情報だけで整理したうえで、私たち自身がケンランSEOで自社サイト(kenran-seo.com)のllms.txtを作って公開するまでの手順と、やってみて見つかった問題、そして「効くのか」を確かめるための計測計画をそのまま公開します。結果は4週間後にこの記事へ追記します。
llms.txt とは——LLM向けの「サイト案内」ファイル
llms.txt は、ChatGPTやClaudeなどの大規模言語モデル(LLM)に対して、「このサイトは何者で、どのページを読めばよいか」をMarkdownで伝えるためのテキストファイルです。サイトのルート直下(https://ドメイン/llms.txt)に置きます。提案者はJeremy Howard氏で、仕様は llmstxt.org に公開されています。
仕様で決まっている形はシンプルです。
- H1(
#)にサイト名 - その直下の引用ブロック(
>)にサイトの要約 - H2(
##)ごとに「リンク一覧+1行の説明」 - 省略してよい情報は
## Optionalの下に置く
定義そのものは用語集の「llms.txtとは」、書き方の一般論は「llms.txtの書き方と設定方法」にまとめてあるので、この記事では重複を避け、「実際に作って公開して、効くかを測る」部分に絞ります。
Google公式の見解:検索順位には影響しない
まず押さえておきたいのは、Googleがこの件について明確に書いていることです。
Google検索セントラルの「AI 検索最適化ガイド」(2026年7月14日更新)には、次のように書かれています。
Google 検索(生成 AI 機能を含む)で表示されるようにするために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップ、マークダウンを作成する必要はありません。
LLMS.txt ファイル(または同様のファイル)を作成して、これらのファイルを使用するほかのサービスやシステムのために維持することにしても、まったく問題ありません。Google 検索ではそれらは無視されるため、サイトの Google 検索での表示やランキングに影響することはありません。
また、GoogleのJohn Mueller氏は2025年6月17日に Bluesky で次のように投稿しています。
FWIW no AI system currently uses llms.txt. (参考までに、現時点で llms.txt を使っているAIシステムは無い)
ただし、GoogleのLighthouse/PageSpeed Insightsは監査している
ここが見落とされがちなのですが、「Google検索が無視する」ことと「Googleのツールが見ていない」ことは別です。
Googleが開発する監査ツール Lighthouse の v13.3.0(2026年5月7日リリース)で、agentic browsing(AIエージェントによる閲覧)カテゴリが既定の設定に追加されました。リリースノートには次の項目が並んでいます。
New agentic browsing category added to default config llms-txt: adjust titles and descriptions and add smoketests
このカテゴリでは、アクセシビリティツリーの明瞭さやレイアウトの安定性(CLS)とあわせて、ドメイン直下の llms.txt の有無と、その中身(H1があるか・短すぎないか・リンクを含むか)が監査されます。Lighthouse は PageSpeed Insights に組み込まれているため、PSI でサイトを計測すると同じ項目が評価されます。
なお、ケンランSEOは llms.txt の生成に対応しています(PageSpeed Insights の既定監査に入った以上、基本設定に近い機能だと判断して2026年8月に対象プランを広げました)。
では、AI検索への効果はあるのか
▶ llms.txt を含め、効果が確認されていない施策の数字は 「LLMO対策で「効果が確認されていない」もの|構造化データとllms.txtの実証データ」 にまとめました。
監査項目になったことと、ChatGPTなどが実際に読んで引用が増えることは、別の話です。残る可能性は LLMO(AI回答に引用される)側ですが、「置いたら引用が増えた」という公開された実測を私たちは知りません。
だから私たちは、自分のサイトで置いて、AIクローラーが取りに来るか、AIの回答での引用が変わるかを数えることにしました。この記事はその記録の1回目です。
ケンランSEOで llms.txt を作って公開するまで(5ステップ)
ケンランSEOには llms.txt を生成する機能があります。ポイントは、サイトの紹介文や強みを人が空欄から書かなくてよいことと、ツールが計測している事実(順位・記事数)を自動で載せることです。2026年8月23日に、実際に kenran-seo.com のファイルを作った手順がこちらです。
ステップ1:サイトを参照してビジネスナレッジを作る
最初に「AIナレッジ」画面で「サイト参照でナレッジを作る」を押します。ツールがトップページや会社概要・サービスなどのページを読み、ページに書いてある事実だけで「業種・対象顧客・他と違う点・運営者・料金」を根拠URL付きで埋めます。ページに書いていない項目は空欄のまま、人が確認して保存します。
私たちのサイトの場合、トップページ1枚から次のように埋まりました。「第三者企業の導入実績や成果は示していない」と、サイトに書いていないことを書かない点まで拾っています。
ステップ2:紹介文と強みをナレッジからAIで下書きする
「llms.txt」画面の「ナレッジからAIで下書き」を押すと、ステップ1のナレッジと、ツールが計測している事実(計測キーワード数、Google検索10位以内の件数、記事数)から、llms.txt の要約文と強みの箇条書きが下書きされます。数字はナレッジか計測値に無いものを書いたら弾かれる仕組みになっていて、弾かれた理由が画面に出ます。下書きは人が直してから保存します。
ステップ3:llms.txt と llms-full.txt を生成する
「生成」を押すと、軽量版(llms.txt)と、全記事を省略なしで載せた版(llms-full.txt)が同時にできます。記事一覧は microCMS から自動で取り込み(ブログ47本・用語集35本)、各記事の説明文も付きます。
ステップ4:ダウンロードしてサイトのルートに置く
ダウンロードした2ファイルを、そのままサイトのルートに置きます。kenran-seo.com は Astro 製なので public/ に入れてデプロイしました。手で書き換えたところは1文字もありません。ツールの出力をそのまま公開しないと、「ツールで作ったものが効くか」の実測になりませんから。
公開したファイルは https://kenran-seo.com/llms.txt で誰でも見られます。
ステップ5:公開チェック
最後に「公開チェック」を押すと、llms.txt・llms-full.txt・robots.txt・sitemap.xml が正しく公開されているか(HTTPステータスとリダイレクト)を確認できます。全部 200 OK になれば完了です。
作ってみて見つかった4つの問題(と直したこと)
正直に書くと、ツール開発者である私たち自身が自分のサイトで作ったら、最初の出力はそのまま置ける品質ではありませんでした。見つかった問題と、同じ日に直したことです。
問題1:紹介文が「機能の羅列」になった
紹介文の欄が空欄だと、私たちでも「順位チェックができてAIO分析ができて……」という機能の羅列を書いてしまいました。LLMが知りたいのは「誰向けで、何を扱い、何が違うか」です。これが、ステップ1・2の「サイト参照」「ナレッジから下書き」を作った理由です。
問題2:AIが数字を言い換え、無いものを書いた
下書きをAIに任せたら、「Google検索10位以内のキーワードが3件」を「上位3件に入る」と言い換え、サイトに無い「導入事例」を書きました。対策として、出力に出てくる数字がナレッジにも計測値にも無ければ、その下書きごと弾くようにしました。禁止語を増やすのではなく数字で判定するので、業種が変わっても同じように効きます。
問題3:検索キーワード一覧をそのまま公開していた
以前の生成結果には、自社が計測している検索キーワードと検索ボリュームの一覧が載っていました。llms.txt の仕様には無い項目で、競合に戦略が丸見えになるうえ、LLMから見ればキーワードの詰め込みです。撤去しました。
問題4:先頭に見えない文字(BOM)が付いていた
ダウンロードしたファイルの先頭に BOM(不可視の文字)が付いていて、パーサによってはH1として読まれない状態でした。これも除去しました。
これから計測すること(2026年8月23日〜)
置いただけでは何も分かりません。基準値と計測項目を先に決めて公開しておきます。
| 項目 | 基準値(8月23日 設置時点) | 計測方法 |
|---|---|---|
| AIクローラーによる /llms.txt の取得 | 0件(ファイルが無かった) | サーバーログで GPTBot / ClaudeBot / PerplexityBot / Google-Extended の取得を週1回確認 |
| ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude での自社引用 | 0件(監視6キーワード) | ケンランSEOの複数AI監視を毎週月曜に実行 |
| Google AI Overview での自社引用 | 0件(94キーワード) | ケンランSEOのAIO引用モニタを毎日実行 |
| Google検索順位 | 94キーワードのうち10位以内 3件 | 毎朝の順位チェック |
| PageSpeed Insights の agentic browsing | 設置前は llms.txt なし | ケンランSEOの速度計測(Lighthouse)で設置後のスコアを確認 |
Google公式の見解どおりなら、4行目(検索順位)は llms.txt と無関係に動くはずです。1〜3行目が動くかどうかが、この実験の答えになります。効いても効かなくても、4週間後に数字をそのまま追記します。
まとめ
- llms.txt とは、LLM向けにサイトの要約と主要ページを伝えるMarkdownファイル。仕様は llmstxt.org
- Googleは公式に「検索順位にも生成AI機能にも影響しない」と明言(2026年7月14日更新のガイド)。John Mueller氏も「使っているAIシステムは無い」と投稿(2025年6月17日)
- 一方で、GoogleのLighthouse 13.3(2026年5月7日)以降、llms.txt は agentic browsing カテゴリの監査項目としてPageSpeed Insightsで評価される
- それでも置くなら目的はLLMO側。ただし効果の公開実測は見当たらないので、自分で測る
- ケンランSEOなら、サイト参照でナレッジ → AI下書き → 生成 → 配置 → 公開チェックの5ステップで、手書きゼロで公開できる(今回の kenran-seo.com がその実例)
- 次回の更新は2026年9月下旬。基準値0からどう動いたかを書きます
アカウント登録後、同じ手順で自社サイトに置いて、一緒に測ってみてください。
