AIが読むのは見出し直後の200文字だけ? 自社49記事を測ったら本文が1文字も入っていなかった
AIが取り込むのは見出し(H1)直後の約200文字だという調査を確かめるため、自社ブログ49記事を実測しました。全記事でその200文字がタグ・画像の代替テキスト・目次で埋まり、本文が1文字も入っていませんでした。原因と直し方、いま進めている検証を公開します。
執筆・分析:中澤大治郎(ナゾックス株式会社)。本文の構成と一部の文章・図版の作成にAIを補助的に使っています。数値・検証結果・見解はすべて執筆者本人のものです。
結論
自社ブログ49記事を測ったところ、AIが取り込むとされる「見出し直後の約200文字」に、記事本文が1文字も入っていませんでした。埋めていたのはタグ、アイキャッチ画像の代替テキスト、そして目次です。
原因は文章の書き方ではなく、HTMLの並び順でした。そして重要な点として、CSSで見た目を動かしても解決しません。
以下、実測値と直し方、いま進めている検証をそのまま公開します。
なぜ200文字を気にしたのか
2026年8月、Search Engine Land がフランスの RESONEO による調査を報じました。ChatGPT がページを取り込むとき、発見用の索引に保存されるのは次の3つだけだという内容です。
- URL
- ページタイトル(途中で切られず全文。最長289文字を観測)
- 見出し(H1)を起点に、その直後の可視テキストから機械的に切り出した約200文字
そしてこの200文字はクエリに依存せず固定で、次にクロールされるまで変わらないと報告されています。カテゴリラベル・署名・公開日・目次が混入し、ある事例では200文字が100%目次だったとも書かれています。
出典: Inside ChatGPT's retrieval stack: The index, cache, and pages it actually reads(Search Engine Land、2026年8月)
▶ AI検索対策の全体像は「LLMOとは?AI検索時代のSEO対策完全ガイド(2026年版)」にまとめています。
注意点を先に書きます。 これは第三者による観測であって、OpenAI が公表した確定仕様ではありません。記事内でも「観測」と「公式」を書き分けます。同記事自身、こうした内部挙動は非常に速く変化すると注意しています。ただ、もし本当なら影響が大きく、確認するコストはほぼゼロでした。だから測りました。
測り方
自社ブログの公開URLを取得し、HTMLを次のように処理しました。
script/style/noscriptを除く- H1要素を見つける
- H1より後ろに出てくるノードを文書順に拾い、可視テキストを連結する
- 画像は代替テキスト(alt)を含める(変換後も残ると報告されているため)
- 空白を詰めて先頭200文字を切る
同時に「H1と最初の本文らしい段落の間に何が挟まっているか」も分類しました。
実測結果:49記事すべてで本文が届いていなかった
たとえば「トピッククラスター管理ツール比較」の記事では、200文字がこうなっていました。
#トピッククラスター #ツール #SEO #比較 トピッククラスター管理ツール比較|無料〜有料まで目的別に選ぶ
目この記事の目次 なぜトピッククラスター管理にツールが必要なのか ツール選びの3つの軸
軸1:クラスター可視化 軸2:内部リンク診断 軸3:KWデータ統合 無料・低コスト帯のツール Googleス
内訳は次のとおりです。
| 順番 | 中身 | 使われた文字数の目安 |
|---|---|---|
| 1 | タグ(#トピッククラスター #ツール #SEO #比較) |
約24文字 |
| 2 | アイキャッチ画像の代替テキスト(タイトルと同じ文字列) | 約30文字 |
| 3 | 目次の見出しが延々と続く | 残り全部 |
| 4 | 記事本文 | 0文字 |
対象49記事すべてが同じテンプレートを使っていたため、全記事が同じ状態でした。
一方でトップページは問題ありませんでした。H1の直後がすぐ説明文の段落になっていたためです。同じサイトでも、テンプレートごとに結果が変わります。
原因はHTMLの並び順だった
テンプレートのHTMLはこうなっていました。
<h1>記事タイトル</h1>
↓ タグのチップ
↓ アイキャッチ画像(alt にタイトルと同じ文字列)
↓ 目次
↓ 記事本文 ← ここまで200文字が届かない
画面で見ると、タイトルの下にタグが小さく並んでいるだけです。デザインとしては自然で、これが問題になるという発想自体がありませんでした。
画像の代替テキストにタイトルを入れていたのも効いていました。 H1のすぐ後にタイトルと同じ文字列がもう一度現れ、約30文字を無駄にしていたわけです。
CSSで見た目を動かしても直りません
ここが一番伝えたい点です。
取り込まれる200文字はHTMLの文書順で決まります。CSS の order や flex-direction で表示位置を入れ替えても、HTMLの順番は変わりません。つまり見た目だけ直しても効果はありません。
逆に言えば、これは使えます。HTMLの順番を入れ替えて、CSSで表示位置を元に戻せば、見た目を保ったまま200文字の中身だけ差し替えられます。
直した結果
やったことは2つだけです。
- H1の直後に記事の要約を出す。タグより前に置く
- アイキャッチ画像の代替テキストを空にする(タイトルの重複を消す)
要約は、もともと検索結果の説明文(meta description)用に全記事へ書いてあったものをそのまま使いました。記事の書き直しは不要でした。
同じ記事の200文字がこう変わりました。
変更前
#トピッククラスター #ツール #SEO #比較 トピッククラスター管理ツール比較|無料〜有料まで目的別に選ぶ
目この記事の目次 なぜトピッククラスター管理にツールが必要なのか …
変更後
トピッククラスター管理に使えるツールを無料〜有料まで比較。Semrush・Ahrefs・ケンランSEO・TCMの
機能差と選び方を、価格帯別に解説します。 #トピッククラスター #ツール #SEO #比較 目この記事の目次 …
なお、200文字の後半はいまもタグと目次が占めています。完全には解決していません。目次の位置は読みやすさに関わるため、そこまで動かすかは別途検討中です。
いま検証していること(結果はまだ出ていません)
「直したから良くなった」とは、まだ言えません。
同じ時期に Bing Webmaster Tools への登録や IndexNow の導入もしており、表示回数が増えても要約のおかげか判断できません。そこで49記事を2群に分けました。
| 群 | 記事数 | Search Console 表示回数の合計(28日) |
|---|---|---|
| 要約あり | 24 | 138 |
| 要約なし | 25 | 137 |
記事数と表示回数の両方が揃うように振り分けています。記事数が少なく表示回数が一部に偏っているため、ハッシュで機械的に半分にすると上位2記事が同じ群に入り得て、その時点で比較が成立しなくなるためです。
もう一つ、前後比較を避けた理由があります。 同じ調査では、AIがページを読み直す頻度は「そのページについて質問された回数」で決まると報告されています。つまり質問されないページは長期間読み直されません。変更前と変更後を比べても、変化がないときに「効かなかった」のか「まだ読み直されていない」のか区別できないのです。2群を同じ時点で比べれば、両群のクロール状況は同じ条件になります。
結果が出たら、良くても悪くてもそのまま公開します。
ご自身のサイトで確かめる方法
ツールは要りません。ブラウザだけでできます。
- 記事ページを開く
- 右クリック →「ページのソースを表示」
<h1を検索する- そこから下に向かって、最初に本文が現れるまでに何があるかを見る
タグ、パンくずリスト、公開日、目次、シェアボタン、画像の代替テキストが挟まっていたら、その分だけ本文が後ろに押しやられています。
見出しの下に置く「答え」の書き方そのものについては、「AI検索で引用されるコンテンツの書き方|Grounding Budgetと自己完結型パッセージ設計」で詳しく扱っています。
何を信じて、何を保留するか
この記事で扱った「見出し直後の約200文字」は、2026年8月時点の第三者調査による観測です。提供元が公表した仕様ではありません。仕組みは短期間で変わり得ます。
一方で、次のことは変わりにくいはずです。
- 見出しのすぐ下に、その記事の答えが書かれていること
- 記事の題名だけで内容が伝わること
- JavaScript を実行しなくても本文が読めること
前述の Search Engine Land の記事自身、安全に積み上げられるのはクロール可能性・明快なタイトル・実際に質問に答えている本文という古典的な部分だけだと結論づけています。今回の変更は、そのうち「見出しの直下に答えを置く」を実行に移したものです。裏技として捉えると、次の仕様変更で無駄になります。
なお、よくLLMO対策として挙がる施策のうち効果が確認されていないものについては、大規模調査の数字を「LLMO対策で「効果が確認されていない」もの|構造化データとllms.txtの実証データ」にまとめました。あわせて読むと、どこに時間を使うべきかの判断がつきやすくなります。
この記事の調査方法について
- 実測はすべて kenran-seo.com(本サイト)に対して行ったものです
- 200文字の抽出は、ケンランSEOの「AI読み取りチェック」機能と同じ処理を使っています
- 引用した調査は出典URLと時点を明記しています。本文中の「観測」は第三者調査によるもので、提供元の公式仕様ではありません
- 2群に分けた検証は継続中で、結果はまだ出ていません
